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2012年8月15日 (水)

樹名の語源・由来を追加「スダジイ」

   スダジイ

 樹名と果実名に用いられる。シイノキがシイタケ栽培に使われる木に使用されるが、シイタケの種菌をつけた原木を「ほだぎ」と呼ぶ。原木とする椎の木に丸棒型材(種駒)を打ち込ち込んだ物である。この作業を挿し木の場合と関連づけて記すと、次のような相関的図式が成り立つ。「台木+穂木=接ぎ木。原木+種駒=ほだ木。」これにより、「原木」を「台木」になぞらえて、「ほだ木」に穂木の台木を代入して当てはめれば、「穂台木」という名詞を構成できる。このホダイギという語が略音転訛し、「ほだぎ」の呼び名になったものと考察する。
 関連して、「すだぎ」については、「素台木」の語を想起する。しいたけ栽培の「もと」
(基礎)となる台の木という意味を持。素台木の語音ソダイギがスダイギに音韻変化したものと思われる。しかし、素の字の漢音はソ、呉音はスであり、後者に基づいても考えられ、スダイギがスダギ→スダと略音化し、この略音スダをシイ(椎)と結合して連濁音化した呼び名の「すだじい」であると提言する。結局、「スダジイ」の名前は、「素台木」を語源とし、シイタケ造りの基礎となる台木的な椎(しい)の木という意味を表わすものであると言える。

 シイの三品種の名前で、果実が貝の形に似るところから来ているという説がある。「シタダミ貝+シイ→スダジイ」。これは語音変化に無理がある。「マテガイ+シイ→マテバシイ」。これは、ガ音がバ音に変化するのに無理がある。この貝が、砂に垂直にもぐっていて、馬を斬る馬刀(まて)に似ていると、補説する人がいるが、理に合わない付会の説に過ぎない。マテバシイは、葉が手のひらのように伸びることから、「全(真)手葉」の説に同調する。「ツブ貝+シイ→ツブラジイ」。ツブは丸い小さな物で、ツブラは丸くて可愛い物。ツブをツブラと語音を変異させるのは無理がある。果実の様子をそのまま呼んだ名前の「つぶらじい」であると言える。要するに、これらの貝に似る事を木の実の名前の語源とする諸説を、全面的に否定する。

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